2010年 05月 26日
ある情景
f0095047_175592.jpg「ピコちゃんその後どうですか?」
H院長から頂いた電話に
「いや〜ん、ごめんなさ〜い、すぐ連れていきま〜す♪」
と返事してから既に2週間近くが経った。

なんせ最近全然ヤル気がないのだ。飼い主が。(笑)

前回の経過観察はいつだったっけ・・・覚えていない。
本来2週間に1度くらいはチェックすべきなのだが
ひょっとして2ヶ月以上経ってるかも。

いつの間にかフィラリアの季節になっていた。
ワクチン、肛門腺、いつもの狂犬病免除の紙。
最近アレルギーがひどく皮膚がタダれている。
爪も伸びている。やる事いっぱい。
さすがに連れて行かねば。

ガン疑惑が始まって1年が過ぎた。
別に年月にこだわるわけじゃないが
フラットオーナーにとって悪性の診断を抱えながら
1年後の姿を想像するのは正直とても難しい。

「なんせフラットですから。。。」

最近もちょっと無理をするとすぐにビッコが出る。
以前なら獣医にすっ飛んで行っただろう。
でも今はまず消炎鎮痛剤を与えて様子を見る。
すると実際1日程度ですぐおさまる。

オープン前の獣医に一番乗り。
普段なら人で溢れ帰っているガラガラの待合室で
真っ先に名前が呼ばれた。ちょっと気分がいい。

「おはようございます。お元気そうで。」とH院長。
反射的に「あはは〜、ごめんなさ〜い」と謝った。(笑)

別に獣医を避けていたわけじゃない。
ましてや病院を浮気したわけでもない。
ただこの1年で自分の意識がちょっと変わっただけ。

肛門腺、爪切り、狂犬病免除の紙。
体重23.2キロ。ちょっと少ない。もう1キロくらい増やそう。
アレルギー用抗生剤を1週間分。

せっかく調子がいいので免疫を崩さない方がいいでしょう、
との理由で混合ワクチンは打たない事にした。
抗体検査をして切れているものだけを後日摂取する事に。

肝心の肩は超音波では変化なし。
しかし触診で昨年一度は切除したシコリが再び育っているのが確認された。
通常ならこれは「再発」という認識になるらしいが
私は全てを他人事のように聞き流していた。

私は獣医に遠慮はしない。
特にH院長とのつきあいは長いので
不安や不満を(言葉は選ぶとしても)いつも率直に伝えている。
H院長はわからない事は「わかりません」とハッキリ言う。
人によってはその対応に不安を感じるかもしれない。
でも私がH院長を信頼している一番の理由はそこにある。

診断結果が間違っているとは思わない。
悪性は悪性なのだろう。
でも実際のピコは単に年相応に年を重ねているだけ。
私にとってはそれが全て。それだけが真実。

たとえば手術中に金属アレルギーの反応が起こった時など
悪性じゃなくても今回のピコのような細胞分裂が
見られるケースがごく稀にあるらしく、
実はH院長が大学病院にピコの細胞や画像を送って
その方向から更に詳しい検査を依頼していた。
2週間前の電話はその結果報告も兼ねていたのだが
あいにくピコはそのケースには当てはまらなかった。
つまり「悪性」という診断は覆せなかった。

その時H院長が言っていた。
「大学病院の方もみんな首を傾げていました。
この細胞分裂でこんなに進行が遅いのは考えられない、と。」

いや〜、ピコちゃんはよっぽど免疫力が高いんですかねぇ・・・
とつぶやくH院長を「い〜やいやいや!」とすぐに遮った。(笑)
自慢じゃないがピコが他の犬より免疫力が高いとは到底思えない。
だって特に何をしているわけじゃない。
飼い主同様ひきこもり、どちらかと言えば不健康寄りの生活。(笑)
唯一の努力(というほどでもない)は食事とサプリ。
できるだけ薬に頼らないこと。
(処方された量を全て投与する事はめったにない。
それでたまに症状がぶり返して叱られる、笑)
あとはフツーに暮らす事。空気が良い事。←これは努力じゃない
そして私のバカ笑いがデカい事くらい。←これも努力じゃない、笑

かと言って先天的なものとはもっと思えない。
めっちゃアレルギー体質だし。骨格も毛も貧相だし。

今日H院長がある黒ラブの話をしてくれた。
そのコもピコと同じく細胞系、誰が見ても
「うわ〜こりゃ悪いぞ〜、早いぞ〜」という診断結果。
でも抗がん剤をぼちぼちやりながら既に2年以上が経過しているらしい。
データ的にあり得ないこの患者の驚異的な症例を
先日のガン学会で発表したところ
全国から集まっていたガンの権威がみな首を傾げたらしい。

「先生。ピコは何もしないでもう1年が経ちましたね。」
私はすかさず返事をした。

「そうですね。
ピコちゃんもまさに同じ道を辿っていますね。」

その時、私の脳裏にある情景が浮かんだ。

おばあちゃんピコがクッションで寝ている。
静かな寝息。たまに突然大きなイビキをかく。
私がキッチンで音をたてると「よっこらしょ」とゆっくり腰を上げる。
トボトボ近寄ってくる。
半開きの目で眠そうに見つめる。
締まりの悪い口でオヤツをポロポロこぼしながら食べる。
床をペロペロ舐める。
クッションにトボトボ戻る。
「よっこらしょ」とゆっくり腰を下ろす。
まっ白な顔をクッションにうずめる。
そして何事もなかったかのようにイビキをかきはじめる。

第○○会ガン学会。
H院長がピコの症例を発表している。
そこに集まっている全ての獣医が首を傾げる。


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by goopicot | 2010-05-26 19:41 | 犬/健康





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